グリーンファイナンス
本投資法人はグリーンファイナンスによる資金調達を通じて、ESGへの取り組みを一層強化すると共に、ESG投資に関心を持つ投資家層の拡大を通じた資金調達基盤の強化を目指しています。
グリーンファイナンスとは
適格クライテリアを満たす特定資産又はプロジェクト(以下「グリーン適格資産」といいます。)の改修工事に係る資金若しくは新規取得資金又はこれらに要した借入金及び投資法人債のリファイナンスへの充当を目的にグリーンボンド又はグリーンローンにより行う資金調達をいいます。
グリーンファイナンス・フレームワークの概要
本投資法人は、目標として掲げる「既存不動産の活用・再生」が環境課題を解決する一つの方法であると考えています。築年数が経過したビルで、LED照明をはじめとする省エネ効果や節水効果の高い設備・機器等への入替を実施することで、建物の長期的な活用とエネルギー効率の改善に貢献しています。
本投資法人のESG課題解決に向けられたステークホルダーの皆様の期待に応え、上記取り組みを加速するべく、環境への取り組みに資金使途を限定した「グリーンファイナンス・フレームワーク」を策定しました。
●適格クライテリア
- (1)改修工事
本投資法人の保有資産に係る以下のいずれかを満たす改修工事であること -
1. 下記「(2)グリーンビルディング」に記載の第三者認証機関の認証のいずれかにおいて星の数又はランクの1段階以上の改善、認証の更新、又は認証の取得を意図した改修工事 2. CO2排出量、エネルギー消費量、又は水使用量のいずれかを30%以上削減することが可能な改修工事 3. 再生可能エネルギー(太陽光発電)に関連する設備の導入又は取得 4. その他環境面で有益な改善を目的とした改修工事(従来比30%の改善効果のあるもの) - (2)グリーンビルディング
以下の第三者認証機関の認証若しくは再認証のいずれかを取得済又は今後取得予定であること。
ただし、認証又は再認証を取得済の場合、現在も有効であること -
1. DBJ Green Building認証:5つ星、4つ星又は3つ星 2. BELS評価(非住宅・ZEB 含む):
(i) 新規取得(2024年4月1日以降):新BELS レベル6~4
(ただし2016年以前築の既存建物の新規取得はレベル3以上かつ既存不適格(※)ではないこと)(ii) 取得済(2024年3月末日以前): H28基準5つ星~3つ星
(ただし既存不適格は不可)
※既存不適格:工場等(物流倉庫含む):BEI=0.75 超え
(i) 新規取得(2024年4月1日以降):
・再エネ設備がない住宅:新BELS レベル4~3
・再エネ設備がある住宅:新BELS レベル6~3
(ただし2016年以前築の既存建物の新規取得は再生可能エネルギーの有無によらずレベル2以上で適格とする。)(ii) 取得済(2024年3月末日以前):H28基準5つ星~3つ星 3. CASBEE(自治体版CASBEEを除く):S、A又はB+ランク 4. LEED(LEED BD+Cの場合はv4以降):Platinum、Gold又はSilver 5. BREEAM(BREEAM New Constructionの場合はv6以降):Outstanding、Excellent又はVery Good
●外部機関の評価
本投資法人は、グリーンファイナンス・フレームワークに対する第三者評価として株式会社日本格付研究所(以下「JCR」といいます。)より、「JCRグリーンファイナンス・フレームワーク評価」における最上位評価である「Green1(F)」の評価を取得しています。
詳細はJCRによるグリーンファイナンス・フレームワークの評価結果をご覧ください。
●調達資金の使途
グリーンファイナンスによって調達された資金(以下「調達資金」といいます。)については、上記適格クライテリア(1)を満たす設備等改修工事に係る資金、適格クライテリア(2)を満たすグリーンビルディングの新規取得資金、及び当該改修工事又は新規取得に要した借入金及び投資法人債のリファイナンスに充当します。
●プロジェクトの評価選定プロセス
グリーンファイナンスにより取得する対象資産(以下「対象資産」といいます。)については、本資産運用会社の投資運用部がデューディリジェンスを行います。対象資産と適格クライテリアの適合性についてはデューディリジェンスの内容等の情報に基づき、本資産運用会社のREIT運用本部長を委員長とするESG委員会が評価し、選定の判断を行います。
対象資産の取得及び改修工事費用、また当該費用のための資金調達にあたっては、本資産運用会社の財務企画部が、リスク・コンプライアンス室長に上程し、審査を受け、リスク・コンプライアンス委員会の決議を経てREIT運用本部投資運用委員会に上程されます。その決議を経て投資法人役員会に付議され、投資法人役員会の承認を以って最終決定します。
●調達資金の管理
本資産運用会社の財務企画部の担当者は早期に上記「適格クライテリア」に記載の資金使途に当該調達資金を充当しますが、仮に調達資金が一時的に充当されない場合には、当該資金使途に充当されるよう追跡管理を行います。
調達資金が充当された対象資産が売却される場合、又は対象資産が適格クライテリアを満たさなくなる場合、一時的に発生する未充当資金は適格クライテリアを満たす他の資産又はプロジェクトに再充当します。なお、未充当資金が発生している場合には、当該資金が充当又は再充当されるまでの間、現金又は現金同等物として管理されます。
レポーティング
2025年04月25日時点
●資金充当状況
本投資法人のグリーンファイナンスに関する資金充当状況は以下の通りです。
名称 | 調達額 (百万円) |
充当額 (百万円) |
未充当額 (百万円) |
---|---|---|---|
グリーンボンド | 1,000 | 1,000 | - |
グリーンローン | 9,425 | 9,425 | - |
●グリーンボンド発行状況
名称 | 発行額 (百万円) |
利率 (%) |
発行日 | 償還期限 | 資金使途 |
---|---|---|---|---|---|
第1回無担保投資法人債 (第1回TSRグリーンボンド) |
1,000 | 0.850 | 2021年 09月16日 |
2031年 09月16日 |
BELS(H25基準)3つ星を取得している新横浜センタービルの取得資金の一部として調達した借入金の返済資金に充当 |
●グリーンローンによる借入れ状況
借入先 | 借入額 (百万円) |
利率 (%) |
借入実行日 | 返済期限 | 摘要 | 資金使途 |
---|---|---|---|---|---|---|
株式会社三菱UFJ銀行 株式会社三井住友銀行 |
1,000 | 1.16750 | 2022年 11月30日 |
2028年 05月31日 |
無担保 無保証 |
グリーン適格資産である西葛西トーセイビルの取得資金の一部として調達した借入金の返済資金に充当 |
株式会社三菱UFJ銀行 株式会社三井住友銀行 株式会社みずほ銀行 株式会社りそな銀行 株式会社SBI新生銀行 株式会社あおぞら銀行 三井住友信託銀行株式会社 |
1,000 | 1.05625 | 2023年 05月31日 |
2028年 05月31日 |
無担保 無保証 |
グリーン適格資産である月光町アパートメントの取得資金として調達した借入金の返済資金に充当 |
株式会社三菱UFJ銀行 株式会社三井住友銀行 株式会社みずほ銀行 株式会社りそな銀行 株式会社SBI新生銀行 株式会社あおぞら銀行 |
1,800 | 1.41884 | 2023年 10月31日 |
2028年 11月30日 |
無担保 無保証 |
グリーン適格資産であるツイン・アベニューの取得資金の一部として調達した借入金の返済資金に充当 |
株式会社三菱UFJ銀行 株式会社SBI新生銀行 株式会社あおぞら銀行 株式会社福岡銀行 |
1,025 | 基準金利 (全銀協 1か月 日本円 TIBOR) +0.650% |
2024年 5月31日 |
2030年 5月31日 |
無担保 無保証 |
グリーン適格資産であるSEA SCAPE千葉みなとの取得資金の一部として調達した借入金の返済資金に充当 |
株式会社三菱UFJ銀行 株式会社三井住友銀行 株式会社みずほ銀行 株式会社りそな銀行 株式会社SBI新生銀行 株式会社あおぞら銀行 三井住友信託銀行株式会社 株式会社福岡銀行 |
3,000 | 1.68000 | 2024年 11月29日 |
2029年 11月30日 |
無担保 無保証 |
グリーン適格資産であるRising Place川崎二番館及びKM新宿ビルの取得資金の一部として調達した借入金の返済資金に充当 |
株式会社三菱UFJ銀行 株式会社三井住友銀行 株式会社みずほ銀行 株式会社りそな銀行 株式会社SBI新生銀行 株式会社あおぞら銀行 株式会社福岡銀行 株式会社千葉銀行 株式会社関西みらい銀行 |
1,600 | 基準金利 (全銀協 1か月 日本円 TIBOR) +0.650% |
2024年 11月29日 |
2030年 11月29日 |
無担保 無保証 |
グリーン適格資産であるT's garden西寺尾の取得資金の一部として調達した借入金の返済資金に充当 |
●保有するグリーン適格資産
物件番号 | 物件名 | 用途 | 取得価格 (百万円) |
延床面積 (㎡) |
DBJ Green Building 認証 |
BELS |
---|---|---|---|---|---|---|
Rd-03 | 月光町アパートメント | 住宅 | 1,000 | 1,547.03 | ★★★★ | - |
O-02 | KM新宿ビル | オフィス | 2,057 | 5,240.41 | ★★★ | - |
O-05 | 西葛西トーセイビル | オフィス | 1,710 | 4,271.38 | ★★ | ★★★ |
O-11 | NU関内ビル | オフィス | 3,800 | 10,963.91 | ★★★ | - |
O-12 | 東戸塚ウエストビル | オフィス | 2,650 | 8,758.32 | ★★★ | - |
Rd-01 | T‘s garden高円寺 | 住宅 | 1,544 | 2,445.31 | ★★★ | - |
Rd-09 | SEA SCAPE千葉みなと | 住宅 | 2,800 | 7,571.58 | ★★★ | - |
Rd-12 | ツイン・アベニュー | 住宅 | 1,880 | 4,563.79 | ★★★ | - |
Rd-18 | Rising Place川崎二番館 | 住宅 | 1,812 | 3,697.17 | ★★★ | - |
Rd-23 | T‘s garden北柏 3号棟※ | 住宅 | 421 | 2,097.50 | ★★★ | - |
Rd-38 | T‘s garden越谷大袋 | 住宅 | 804 | 4,276.68 | ★★★ | - |
Rd-43 | T‘s garden西寺尾 | 住宅 | 3,000 | 9,487.36 | ★★★ | - |
合計 | 23,478 | 64,920.44 | - | - |
- T's garden北柏の1・2号棟を含む物件全体の取得価格は2,770百万円ですが、延床面積を用いて按分しグリーンビルディングである3号棟の取得価格を算出しています。
●インパクトレポーティング
環境パフォーマンスについては、こちらをご覧ください。